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 渚が上半身を曲げて、椅子に座ったままの僕の顎を掴んでゆっくりと何度も唇を押し付ける。少し顔を離して、渚が囁いた。
「…祐輔さん。ちょっと立ってもらっていいですか?」
 なんでだ?
 僕が眉を寄せつつも、椅子を引いて立ち上がると、いきなり腰に右腕を回された。
「なっ」
「ちょっと失礼」
 そう言うと同時に、渚が僕の脇の下と膝裏に素早く腕を回した。
「うわぁ!?」
 僕は驚いて渚の首に両腕を巻きつけてしがみ付いた。
 渚が僕に抱きつかれながら嬉しそうに笑った。
「あっはっは。祐輔さん軽いですね〜」
「バカ野朗!お、下ろせ!何してんだっ」
「一回やってみたかったんです。お姫様抱っこ」
「しなくていいよ!下ろせっつーの!何考えてんだー!」
「えっちなことー」
 そう笑って言いながら、渚が歩き出した。落とされないようにと、僕はより強く渚に抱きつくと、渚があやすように僕の背中を撫で擦った。
「ああ、すげえ幸せ…!祐輔さんがこんな積極的に俺に抱きついてくるなんて」
「てめえ、覚えてろよ…」
 僕が低く凄むと、渚が部屋に続く扉を足で開けた。そのままベッド際まで寄ると、睨みつける僕に顔を寄せた。僕をベッドに下ろさず、そのまま深く口付けてきた。
 畜生、僕に文句言わせないようにか。 
 腹を立てた僕は、侵入してこようとする渚の舌を拒むように、固く唇を閉ざそうとした。しかし、それでも侵入してこようとするので、僕が意固地になって顔を振って逃れようとすると、そっちに気を取られている間に、渚が突然僕をベッドの上に素早く下ろした。驚いて目を上げると、渚がしてやったりという風にいやらしく笑んで僕を見下ろしていた。僕の太腿の上に跨ると、そのままシーツに僕の手首を押さえつける。
「貰っていいですか、ごほうび」
「…っ、一昨日もやったろ」
 僕が睨みつけても、それすら愛情表現であると受け取ったらしい渚が、僕のシャツのボタンに手を掛けた。時間をかけてゆっくり外されると、余計に羞恥心が募る。渚はそれを分かってやっているから、性質が悪い。その証拠に、僕の目を見つめながら囁く。
「俺のも脱がせてください」
 低い声音とその内容に、ぞくっと妙な感覚が背中を這う。それを誤魔化すように、僕は渚を睨み付けた。
「…調子に乗りやがって…」
「今乗っておかないとしばらく乗れそうもないんで」
「…くそ。手ェ上げろ」
 舌打ちして命令すると、渚が大人しく従った。裾を掴んでそのまま一気に頭を潜らせてTシャツを脱がせた。引き締まった滑らかな素肌が僕の眼前に迫ってくる。
「…下も」
「………自分で脱げよ」
「じゃあ祐輔さんも自分で脱いでくださいね!やったあ!超接近ストリップショー…」
 グーで渚の腹を打ってやると、渚が上半身を折って咳き込んだ。僕の胸に頭を乗せて唸る。
「ぐぉぉ…っ」
 僕は肘で上半身を支え起こして怒鳴った。
「二度とやらねえぞ、ボケぇ!!」
「ぼ、暴力反対…」
 涙目で訴える渚を、足を振って僕の上から退かせた。そのままベッドの上にうつ伏せになった渚の膝裏に跨って、渚の腹に手を回した。
 すると渚が、変な声を上げた。
「きゃーー!」
「『きゃー』じゃねえよ!!どっから声出してんだてめえはっ」
 怒鳴りつけながら、渚のベルトを外して前を寛げた。そのまま制服のズボンの端を引っ張って脱がせた。靴下も脱がせて渚を下着一枚にさせる。更にその渚の背中に覆いかぶさる。項に唇をくっつけると、僕の真下の渚が息を詰めた。
「あ、あの…祐輔さん…?」
「…なんだ?」
 丁寧に舌を這わせながら尋ねると、渚が体を強張らせた。手が、シーツを握り締めるのが見えた。明らかに戸惑っているのが分かって嬉しくなる。べろりと背骨に舌を這わせてから、もう一度聞いた。
「どうした?大人しいな」
「あ、あの…これは…一体…?」
「ごほうびだよ」
 渚の耳元に低く囁き込んでやる。耳の穴に舌を突っ込むと、渚がまた変な声を上げた。
「きあーーーっ!!」
「るせええ!!観念しろっ」
「俺耳弱いんですーー!」
「へえ」
 いいこと聞いた。
 耳朶を甘噛みすると、渚が静かになった。構わず耳朶をしゃぶると、渚が息を詰める。
「……ッ」
「渚…」
 大人しくなった渚の温度が上がっていくのが手に取るように分かる。面白い。そのまま背中に手を這わせて、胸をなぞって下腹部へとゆっくり移動させる。下着の上から撫で擦って緩く握りこむと、渚が驚いたように声を上げた。
「祐輔さん!?」
 にやりと笑って言ってやる。

「ごほうび、やるからじっとしてろ」 











テーマ:自作BL小説 - ジャンル:小説・文学



















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